シュトックハウゼンCDガイド 90-99

CD90 KLANG11時間目「忠誠」、12時間目「覚醒」

TREUE(2007) for bass clarinet, basset-horn, E flat clarinet

バス・クラリネット:Petra Stump
バセットホルン:Rumi Sota-Klemm
Es管クラリネット:Roberta Gottardi

ERWACHEN(2007)  for violoncello, trumpet, soprano saxophone

チェロ:Dirk Wietheger
トランペット:Marco Blaauw
ソプラノ・サックス:Marcus Weiss

録音:2010年

『忠誠』はクラリネット属による三重奏。軽やかな響きが印象的だ。『覚醒』ではチェロ、トランペット、サックスという一見奇妙な組合わせから神秘的な響きが立ち現れる。


 

CD91 KLANG13時間目「宇宙の脈動」

COSMIC PULSES(2007) Electronic Music

シュトックハウゼンが最晩年に完成させた最後の電子音楽作品。24層の電子音が空間をうごめく圧倒的な音響。各層は異なるテンポ、音域、構成音を持つパルス風の音形の繰り返しによって構成されている。このパルスに、テンポやピッチの不規則な変化が頻繁に挿入されることにより、人間の聴取能力を超えた密度と複雑さが生まれる。アルバム余白には、24層の各層を抜き出した音源(冒頭1分間)が収録されている。


 

CD92 KLANG14時間目「HAVONA」

HAVONA(2007) for bass and electronic music

バス:Nicholas Isherwood
録音:2009年

13時間目《宇宙の脈動》の第24〜22層を抜き出した重低音に満たされた電子音楽にバス独唱が加わる。本編の前には学習用に電子音楽のみが収録されている。


 

CD93 KLANG15時間目「ORVONTON」

ORVONTON(2007) for baritone and electronic music

バリトン:Jonathan de la Paz Zaens
録音:2010年

本編の前には学習用に電子音楽のみが収録されている。


CD94 KLANG16時間目「UVERSA」

UVERSA(2007) for basset-horn and electronic music

バセット・ホルン:Michele Marelli
録音:2010年

本編の前には学習用に電子音楽のみが収録されている。


CD95 KLANG17時間目「NEBADON」

ORVONTON(2007) for horn and electronic music

ホルン:Christine Chapman
録音:2009年

本編の前には学習用に電子音楽のみが収録されている。


CD96 KLANG18時間目「JERUSEM」

JERUSEM(2007) for tenor and electronic music

テノール:Hubert Meyer
録音:2010年

13時間目《宇宙の脈動》の第12〜10層を抜き出した電子音楽にテノール独唱が加わる。本編の前には学習用に電子音楽のみが収録されている。


CD 97 KLANG19時間目「URANTIA」

URANTIA(2007) for soprano and electronic music

ソプラノ:Kathinka Pasveer
録音:2008年

13時間目《宇宙の脈動》の第7〜9層を抜き出した電子音楽に静的なソプラノ独唱が加わる。
本編の前には学習用に電子音楽のみが収録されている。


 

CD 98 KLANG20時間目「EDENTIA」

EDENTIA(2007) for soprano saxophone and electronic music

ソプラノ・サックス:Marcus Weiss
録音:2008年

13時間目《宇宙の脈動》の第4〜6層を抜き出した電子音楽にソプラノ・サックスが加わる。24のセクションに分かれるが、点描的、トリル、微分音などセクションごとに違った性格をもっている。
本編の前には学習用に電子音楽のみが収録されている。


 

CD99 KLANG21時間目「PARADIES」

PARADIES(2007) for flute and electronic music

フルート:Kathinka Pasveer
録音:2009年

13時間目《宇宙の脈動》の第3〜1層を抜き出した電子音楽にフルート独奏が加わる。
著しく高音域に偏った、天を駆け回るような電子音と軽やかなフルートの共演。
本編の前には学習用に電子音楽のみが収録されている。

本作がKLANGの完成された最後の部分となる。作曲者の死により、22時間目以降は未作曲。