CD40 「光の火曜日」(全曲)
DIENSTAG aus LICHT(1977/1987-91)
Oper in einem Gruß und zwei Akten mit Abschied
für 17 musikalische Darsteller
(3 Solo-Stimmen, 10 Solo-Instrumentalisten, 4 Tänzer-Mimen),
Schauspieler, Mimen,
Chor, Modernes Orchester und Tonbänder
・DIENSTAGS-GRUSS
・1. Akt: JAHRESLAUF
・2. Akt: INVASION – EXPLOSION mit ABSCHIED
2枚組
CD41 オクトフォニー
OKTOPHONIE(1990-91) electronic music of TUESDAY from LIGHT
『光の火曜日』第2幕の背景で演奏される電子音楽を、単独の作品として抜き出したもの。FM音源、PCM音源を多用した重厚でギラギラした音色は、テクノ・キッズの心もくすぐるだろう。実演では、立方体状に8チャンネルのスピーカーをセッティングすることにより、前後左右に加え、上下の音源の動きも表現される。
関連音源:CD44:SIGNALS zur INVASION
CD42 シンセ狂(ピアノ曲XV)
SYNTHI-FOU (KLAVIERSTÜCK XV) for a synthesizer player and electronic music
DIENSTAGS-ABSCHIED for a synthesizer player, choir and electronic music
Sounds of SYNTHI-FOU with Simon Stockhausen
『光の火曜日』第2幕の終結部を独立した作品として抜粋したもの。オペラ上演と同様のヴァージョンと、そこから合唱パートのみを省略したヴァージョン、シンセ独奏のパートのみを抜き出した学習用のヴァージョンが収録されている。2枚目は、プログラミング、演奏を担当したジーモン自身の解説によって、この作品で使われた131のシンセサイザーの音色が逐一デモンストレーションされるという、マニア向けの内容。
2枚組
関連音源:
CD82:SYNTHI-FOU(Antonio Pérez Abellánによる演奏)
CD43 トランペット作品集
EINGANG und FORMEL(1978) for trumpet
トランペット:Markus Stockhausen
録音:1992年
EXAMEN(1979)
for tenor, trumpet, basset-horn, piano,
soprano, bass, 2 speaker-mimes
トランペット:Markus Stockhausen
バセットホルン:Suzanne Stephens
ピアノ:Majella Stockhausen
ソプラノ:Annette Meriweather
バス:Nicholas Isherwood
マイム:Elizabeth Clarke, Alain Louafi
録音:1990年
DRACHENKAMPF(1980/87)
for trumpet, trombone, synthesizer player, percussionist
トランペット:Markus Stockhausen
トロンボーン:Michael Svoboda
シンセサイザー:Simon Stockhausen
打楽器:Andreas Boettger
録音:1993年
OBERLIPPENTANZ(1983) for piccolo trumpet
ピッコロ・トランペット:Markus Stockhausen
録音:1993年
PIETÀソロ版(1990) for flugelhorn and electronic music
フリューゲルホルン:Markus Stockhausen
PIETÀデュオ版(1990) for flugelhorn, soprano and electronic music
フリューゲルホルン:Markus Stockhausen
ソプラノ:Annette Meriweather
録音:1993年
関連録音:
CD35:OBERLIPPENTANZ(アンサンブルを伴う版)
CD56:ピアノ曲XIV(EXAMENのピアノ独奏版)
CD44 トロンボーンとユーフォニウムのための作品集
IN FREUNDSCHAFT for trombone
SIGNALE zur INVASION for trombone and electronic music
KINNTANZ for euphonium, percussionist, synthesizer player
ミヒャエル・スヴォボダをフィーチャーした作品集。SIGNALE zur INVASIONは『光の火曜日』第2幕をトロンボーンと電子音楽で演奏できるよう再構成された作品。トロンボーンと重厚な電子音が対決するかのような緊迫感あふれる音楽。KINNTANZは『光の土曜日』第3場面「ルツィファーの踊り」の抜粋作品。
CD45 ソロ、シュピラール
SOLO(1966) for a melody instrument with feedback(2種類の演奏)
フルート版:Dietmar Wiesner、シンセ版:Simon Stockhausen
SPIRAL(1968) for a soloist(オーボエ版)
オーボエ、声、ディジュリドゥ:Cathy Milliken
録音:1995年
このアルバムでは、60年代の不確定なスコアによるソリストのための作品の1990年代の新しいリアリゼーションの録音がまとめられている。
SOLOは旋律楽器奏者の演奏する音に複雑なディレイ処理を行うことにより、一人の奏者による緊密なポリフォニーを作り出そうとする作品だが、その複雑なディレイ処理を行うために、初演時にはソリスト以外に4人のアシスタントを必要としたなど、その演奏に際しては大きな技術的な問題が立ちはだかっている。
この2種類の録音でも、リアルタイムでディレイ処理を行うのでなく、録音されたソリストのパートをシーケンサーやサンプラーを使ってテープ上で処理を行うことでスコアの要求を実現している。つまり、このヴァージョンをライヴで演奏するためには、あらかじめ録音されたテープと一緒にソリストが演奏する、という妥協した方法を取らざるを得なかったのだが、その後コンピュータ上(Max/MSP)でディレイ処理を行うことで、ライヴでも気軽に演奏できるようになった。
技術的な問題はさておき、ディレイを使った即興演奏にありがちな、ただ音を重ねて塗りつぶすような音響にしてしまう世界とは対極の、緻密なポリフォニーが大きく印象に残る。シンセ版では次々と音色を変化しながら演奏するためこのポリフォニーの効果はより効果的となる。
ちなみに、一人の旋律楽器奏者によるポリフォニーというアイデアは、1970年代以降の数多くの作品で、電子機材を使わずに幅広い音域の素早い交替(=ホケトゥス)を駆使することで実現され、新しい領域が発展させられることになる。
SPIRALは短波ラジオで受信した音響を、ソリストが模倣、変形していく作品であるが、このCDでのキャシー・ミリケンの演奏では、彼女の通常演奏するオーボエだけでなく、状況に応じて声やディジュリドゥも使用され、ディレイ、ハーモナイザーなどのエフェクターによる処理も行うことにより、音色に多彩さがもたらされるが、それが散漫さに陥ることなく彼女独特の柔らかい音色感で統一され、時にユーモアすら感じさせる。
演奏素材の変形の様子が手に取るように聴取できる演奏のクリアーさも大きな特徴である。
関連録音:
CD46:シュピラール(声のためのヴァージョン、完全版)
CD15:シュピラール(シンセのための版、2種)
CD46 「シュピラール」(完全版)
SPIRAL(1968) for a soloist with short-wave receiver
声:Michael Vetter
録音:1995年
一人の奏者が短波ラジオの音を模倣し、変形させてゆくこの作品は作曲者自身によりこれまでも何度か録音されているが、それらはすべてスコアの一部分のみの演奏であった(一定の基準で抜粋演奏が可能とスコアに指示されている)。この作品の作曲直後から演奏に深く関わっているミヒャエル・フェッターによる今回の録音は、初めてスコア全体が演奏された画期的なもので、約135分というCD2枚分の長大なヴァージョンに仕上がった。
任意の楽器で演奏可能であるが、ミヒャエル・フェッターは(ごくわずかな例外を除き)声だけでこの長大なヴァージョンを歌い切っている。短波ラジオの雑多なサウンドをホーミーを始めとするありとあらゆる唱法で模倣し、変形させていくのだが、それが2時間以上続いていく様は変態的且つ驚愕の連続であり、そのエネルギーには唖然とする他ない。
ミヒャエル・フェッターの書き込みの入ったスコア全体もブックレットに掲載されていて、ほぼすべてのイベントごとにトラックが割り振られているので(各CD共99トラックに区切られている!)、これを見ながら、彼がどのようにリアリゼーションをしていったのかを詳細に追って行く事も出来る。
関連録音:
・シュピラール(シンセ版) CD15
・シュピラール(オーボエ版) CD45
CD47 「ヒュムネン」オーケストラ付き版
HYMNEN(Dritte Region)(1969)
Electronic Music with Orchestra
演奏:
ギュルツニッヒ管弦楽団(ケルン歌劇場管弦楽団)
指揮:Karlheinz Stockhausen
サウンド・プロジェクション:Markus Stockhausen
録音:1994年(ゲネプロ、演奏会本番のライヴ録音からの編集)
4つの部分からなる電子音楽の大作「ヒュムネン」の「第3地域」の部分にオーケストラによる注釈をつけた版。
付録として、「ロシアン・ブリッジ」(オーケストラと指揮者による約10分にわたる即興部分)の別ミックス及び別テイクも収録されている。
関連録音:
CD10「ヒュムネン」電子音楽のみの版、ソリスト付きの版
CD48 「金曜日」のカップル
PAARE vom FREITAG with soprano, bass, electronic instruments
金曜日全編で流れる電子音楽は2層構造となっている。終始ドローンのように流れる電子音による持続音のレイヤーと、時折挿入される、男女の声を様々な音源と掛け合わせることで奇妙な電子変調を施したレイヤー。本盤収録の音源はその後者のみをまとめたもの。声の主は、シュトックハウゼン本人とカティンカ。シュトックハウゼンの数多ある電子音楽作品の中でもとりわけ奇妙な音色感で満たされた珍品だ。
関連録音:
CD49:「金曜日」のサウンド・シーンを伴う電子音楽
CD50:「光の金曜日」(全曲)
CD49 「金曜日」のサウンド・シーンを伴う電子音楽
ELEKTRONISCHE MUSIK mit TONSZENEN
vom FREITAG aus LICHT(1992/94)
『光の金曜日』の背景で終始流れる、電子音によるドローン状の音響と、男女の声を電子変調させた「サウンドシーン」のみを抜粋した音源。ドローン状でありながら、絶えずゆっくりと様相を変える電子音による極端にゆったりとした時間感覚を突如打ち破るようなサウンド・シーンによる挿入が強烈なインパクトを与える。
2枚組
関連録音:
CD50「光の金曜日」(全曲)
CD48「金曜日」のカップル