『現代音楽は怖くない』

By | 2016-06-13

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『現代音楽は怖くない』諸井誠著

この本は、「現代音楽が怖かった」私が現代音楽を中心に演奏活動するようになった原点となる本です。おそらく読んだのは中学生の頃。

この本は、しばらく手元になかったのですが、たまたま立ち寄った古書店で見つけたので、久々に読んでみました。

「現代音楽」と言っても、この本に出てくる作曲家はR.シュトラウス、ドビュッシーに始まり、最も新しいのがウェーベルン、メシアン、「現代」というよりは「近代」止まりのラインナップ。でも、この辺りの作曲家の作品の面白さが分かれば、その延長線上で現代音楽の面白さも理解できるようになります。

当時は、言及されている作品の音源を見つけるのも困難で、多くの作品は文章からその響きを想像するしかなかったのですが、私にはとても有意義な指南書となりました。

ちなみにこの本に続く指南書となったのがグリフィスの『現代音楽』、松平頼則『近代和声学』でした。コンサートや音源で現代音楽に触れることが困難だった中高生時代(主な情報源はFM)には、これらの本からの情報はとても貴重でした。