ELECTRONIC MUSIC of SIRIUS(1975-1977) in 4 versions:
・春ヴァージョン
・夏ヴァージョン
・秋ヴァージョン
・冬ヴァージョン
4人の奏者(トランペット、バス・クラリネット、ソプラノ、バス)と電子音楽のための大作「シリウス」の、8チャンネルで再生される電子音のみを収めたものである。
「シリウス」は、序奏部である「登場」、中心部分の長大な「車輪」、コーダに当たる「告知」という3つの部分に分かれているが、一年の四季を表す「車輪」はさらに「牡羊座(春)」「蟹座(夏)」「天秤座(秋)」「山羊座(冬)」の4つの部分に分けられこの4つの部分のどこから演奏を始めても良い可変構造になっている。
どの部分から始めるかによって「春ヴァージョン」「夏ヴァージョン」「秋ヴァージョン」「冬ヴァージョン」と名前が付けられるが、このアルバムではその4つのヴァージョン全てが収められている。
「シリウス」は1年間の12の星座を12のメロディーで描いた作品「ティアクライス(十二宮)」の拡大ヴァージョンであり、「車輪」の部分でこの12のメロディーが順番に演奏されるようになっている。但し、電子音楽の部分にはその内、4つの季節を代表する「牡羊座」「蟹座」「天秤座」「山羊座」の4つのメロディーのみが使用されているが、この長大な「車輪」の部分にはそれ以外の素材が一切使用されていないのは驚くべきである。
これらのメロディーはある時は全体像が見えなくなるほどまで異様に弾きのばされたり、逆に極端に圧縮される事によってメロディーがノイズへと変容していったり、そうしたイヴェントが多層的に重なったりと、最小限の素材が果てしなく展開されてゆく。メロディーがモチーフに細分化されて展開されるのではなく、メロディー全体が1つのオブジェとして変容されていることにも注意を向けなくてはならないだろう。
「シリウス」の本来のヴァージョンではここに4人の演奏者が加わることにより、さらに複雑なポリフォニーが形成されるが、これをいきなり完全に聞き分ける事は不可能である。この電子音楽のみのヴァージョンを聴く事によって、演奏者の陰に隠れていた電子音楽部分の豊かな楽想をクリアーに把握し、作品のより深い理解へと繋げてゆく事ができるであろう。
関連録音:
・「シリウス」CD26

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