Stockhausenの最近のブログ記事
252, rue du Faubourg Saint-Honoré
75008 Paris
17 OCTOBRE
Métro : Ternes, Charles de Gaulle-Etoile
17 octobre 20h
17€ à 45€, Abonnement 13,60€ à 36€
Durée : 1h30 plus entracte
Karlheinz Stockhausen
Kreuzspiel
Kontra-Punkte
Fünf weitere Sternzeichen, création française
György Ligeti
Concerto de chambre
Aventures et Nouvelles Aventures
Claron McFadden, soprano
Hilary Summers, contralto
Georg Nigl, baryton
Ensemble intercontemporain
Pierre Boulez, direction
http://www.festival-automne.com/fr/programme.php?programme_id=280




昨日は、いずみシンフォニエッタによって日本初演の行われたシュトックハウゼンの遺作《ティアクライス》オーケストラ版を聴きに大阪まで行ってきました。
いずみホールの最寄り駅を降りると、駅周辺に「チケット買います」という紙をもってたっている若い女性がたくさんいて、シュトックハウゼンもこんなにポピュラーになったのか!と思ったら、近くの大坂城ホールで行われていた東方神起のファンでした(汗
今回はこの作品のプログラム・ノートを書いていたこともあり、ほとんど日本では知られていないシュトックハウゼンの晩年の作品がどのように演奏され、どのように聴衆に受け入れられるのか、とても不安でしたが、結果から言えば、極上とは言えないまでも、良心的な演奏によって作品のよさが聴衆に伝わったように感じました。私の解説文も作品理解にそれなりに役立っていたとしたら光栄です。
それはともかく、この未知の作品を思いきって取り上げて下さったいずみシンフォニエッタの意欲に、まずは拍手を送りたいです。
解説文を書くにあたってスコアを入念に研究しましたし、作曲者遺族の監修による演奏2種(放送音源)も何度も聴いて作品の事は知り尽くしていたので、演奏の細部でうまくいった場所も、うまくいかなかった場所も手に取るように分かりましたが、少なくとも作品のフォルムはかなりクリアーに再現され、様々な演奏指示(楽器配置など)もほぼスコア通りに再現されていました。
チラシを見た時に前半5曲と後半5曲が、プログラムの冒頭と最後に分かれて演奏されるように書いてあったのですが、これはおかしいと思い、いずみシンフォニエッタのプログラム・アドヴァイザーでもある川島素晴氏にも相談しつつ、最終的に、作曲者が意図したとおりの10曲とおして演奏する曲順に変更してもらいました。
そしてやはり、つなげて演奏する事により、作品としてのまとまりが感じられたと思います。
ちなみにこの日はNHKの収録が入っていました。8月上旬にNHK-FMで放送予定だそうです。
以下は、基本的に素晴らしい演奏だったことを前提としての、私なりの「かなり」細かい感想を、備忘録替わりに記しておきます。
シュトックハウゼンの遺作の楽譜が2点出版されました。
KLANG7時間目《バランス》と《続・5つの星座》です。
表紙は以下のページの真ん中のあたり:
http://www.stockhausen.org/whats_new.html
《続・5つの星座》は《ティアクライス》オーケストラ版の後半にあたる作品ですが、最後に作曲された〈双子座〉はシュトックハウゼンの亡くなる日の前日の夜に完成されたのは以前もお知らせしたかと思います。
この作品が2004年に完成されていた《5つの星座》とともに、6月、大阪で日本初演されます。
私も駆けつける予定です。
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いずみシンフォニエッタ大阪第22回定期演奏会
「星の彼方へ――追悼ドイツの2人の巨匠、シュトックハウゼンとカーゲル」
2009年6月13日(土)16:00開演 いずみホール
■出演者:
飯森範親(指揮)安藤史子(フルート)
いずみシンフォニエッタ大阪
■演奏曲目:
シュトックハウゼン:5つの星座〔2004/日本初演〕
カーゲル:ザ・協奏曲〔2002/日本初演〕
山根明季子:水玉コレクションⅣ〔委嘱新作/2009/世界初演〕
シュトックハウゼン:続5つの星座〔2007/日本初演〕
主催者サイト:http://www.izumihall.co.jp/sin_shusai/kouen_n.html
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話は変わって、シュトックハウゼンが亡くなる直前にようやく出版にこぎつけた《モメンテ》のスコアが、2009年度ドイツ音楽出版協会賞を受賞したとのことです。
シュトックハウゼン音楽財団からの報告と、シュトックハウゼン邸の庭(おそらく)に鎮座する巨大な《モメンテ》の写真はこちらをご覧下さい。
とにかくこの楽譜は巨大すぎて自宅での置き場所に困ります。
《グルッペン》や《カレ》の楽譜よりも《プンクテ》の楽譜はさらに巨大で、《モメンテ》の楽譜のサイズはその《プンクテ》の楽譜よりも一回り大きく(しかし横長)、厚さは《カレ》の4冊のスコアすべてを合わせた位です。
ようやく、先日の本番の疲れが取れてきました。
確定申告など雑務がまだまったく手に付いていないのですが、気分転換に、最近作ったシュトックハウゼン関係の資料をアップしました。
先日の《私は空を散歩する》のプログラム・ノートと、昨年の東大でのシュトックハウゼン企画の《シュピラール》のレクチャーのための自分用のレジュメです。
こちらよりどうぞ。
シュトックハウゼン出版からの新しい楽譜とCDが届きました。
どちらもKLANG13時間目「COSMIC PULSES」からの派生作品で、19時間目「URANTIA」(ソプラノと電子音楽のために)、20時間目「EDENTIA」(ソプラノ・サックスと電子音楽のために)です。
楽譜も同時に発売されているので、CDと合わせて購入しました。
どちらもキラキラした電子音にソロ奏者の演奏が重なる音楽ですが、カラオケのようなことになることは決してなく両者の一体感が楽しめますし、「COSMIC PULSES」の派生作品、といっても二番煎じになることもなく、両者の作品は似たようなコンセプトを持ちながらも、それぞれ独自のカラーを持っている所が興味深いです。
このシリーズあと6作品あります。残りの作品も早く聴いてみたいですね。
ちなみに「URANTIA」の方は、昨秋の世界初演時にBBCの放送で聞くことができましたが、ネットラジオのチープな音質だったので、当然ながら全く感銘度が違います。
楽譜は、ソロ・パートのみが記譜され、音数もそれほど多い訳ではないので(電子音部分で数え切れないくらいの音群が溢れています)、解説などをのぞく本体の楽譜部分は2〜3ページという慎ましいものですが、「KLANG」のアナリーゼをさんざんやっている私には、一目で作曲法の概要がわかるほど、シンプルな(でも円熟した)構造になっていることが分かりました。
最大の関心事は、あの複雑なポリリズムの電子音楽と生演奏をどうやって同期させるか、ということでした。
どちらの作品も24(+α)のセクションから構成され各セクションの内部のリズムはスペース・ノーテーション風に記譜されています。
セクションの頭を演奏者が耳で把握できるように、電子音にちょっとした細工をしています。
URANTIAの場合は、新しいセクションの直前に電子音楽全体が1秒ごとに、うわん、うわん、うわん、と3〜6回音量が変化し、それが一種のアインザッツとして機能します。
EDENTIAの場合は、セクションの頭の直前にカティンカによるセリフが電子音楽にミックスされているので、それをきっかけに同期できるという仕組みです。
「グリッサンド」や「トレモロ」などというセリフに反応して、サックスがその音形を演奏するのはユーモラスです。
シュトックハウゼン公式HP上の情報:http://www.stockhausen.org/whats_new.html
話は変わって、シュトックハウゼンの旧作の日本初演をやりますので、お知らせします。
■MoVE ヴォーカルアンサンブル演奏会■
2008年3月8日(日)14:00開演
東京オペラシティリサイタルホール
入場料:全席自由4,000円
出演:太田真紀(ソプラノ)、松平敬(バリトン)ほか
北爪やよひ《おとはのうたII》(世界初演)[+堂山淳史(ホルン)]
森田泰之進《でんでらどらごん》(世界初演)[+徳久ウィリアム(リズムヴォーカル)]
坪能克裕《デュオ オペラ NO.3 "I'm a …"》(世界初演)[+神田佳子(マリンバ)]
ロクリアン正岡《南無阿弥陀仏》(世界初演)[大貫浩史(テノール)、安田謙一郎(チェロ)]
シュトックハウゼン《私は空を散歩する》(日本初演)
今回演奏する《AM HIMMEL WANDRE ICH 私は空を散歩する》は1972年の作品でアメリカン・インディアンの詩や祈りの言葉などに曲をつけたものですが、45分の大作で、演劇的な要素を多分に含むため、すべてを暗譜して演奏しなくてはなりません。しかも、演奏する前に、自分の演奏用ヴァージョンを作らなくてはならないので、準備が非常に「面倒臭い」です(でも創造的ではあります)。
テンポと音量はそれぞれ12のパターンが作曲者により指定されていて、それぞれを12の各部分に割り振ります。「フォルテ」とか「ゆっくり」などといった単純なものだけでなく、「ppが基調だが時々ff」とか「テンポをすばやく変化させる」という指定もあり、この場合は、「どこで変化させるか」ということも決めなくてはなりません。さらにややこしいのが、楽譜本体にも若干の音量やテンポの指定がある場合があるので(当然そちらが優先)、その組み合わせの効果なども計算しつつ考える必要があります。
さらに、「N」と書かれた部分は任意の名前を呼ぶ、「U」と記された部分は任意の特殊唱法を奏する、という指定もあり、これも事前に決定して、「ネタ」がかぶらないようにしておく必要があります。
あと、それぞれの歌手が一つずつ「小話」を用意して、特定の部分で記譜された音符を挟みながらそれを話すことも要求されます。一人の歌手に要求されているのが「エロティックな話」、もう一人に要求されているのが「童話」です。しかもそれぞれの話の内容に、さらに細かい注文があるため、この話の内容を決めるのも一苦労でした。
その他、鳥の鳴き声を模しながら即興演奏するとか、単音の引き伸ばしを様々なアイデアで即興的に変容させるとか、指定された数音を自由に組み合わせて、そこに決まった歌詞を当てはめて演奏するとか、随所に即興や選択の求められる箇所があり、それが固まるまではリハーサルは難航を極めました(もっとも、まだ完成には遠いのですが。。。)。
意外に難物なのがリズム・パターンが記されずに、「不規則に」とだけ記されている部分です。人間は規則的な方向に流れてしまいやすいので、この不規則なリズムを罠に陥らずに演奏するのは至難の技です。不規則にやっているつもりでも、録音して聞くとうまくいっていなかったり、と試行錯誤の連続です。
かと思えば、発狂しそうになるほど同じフレーズを繰り返す部分があったり(8倍または1/8のテンポになるまで、アッチェレランドまたはリタルダンドしながら繰り返す、という極端なものもあります)、たった2人の歌手だけで、多彩なアイデアが詰め込まれた作品となっています。
その他、公募から選んだ新作も、ヴァラエティに飛んだ作品になっていますので、是非ともお越し下さい。
(私の方でも、こちらのフォームよりチケットお申し込み承っています)。


