書籍の最近のブログ記事
ウニといえば寿司のネタですが、意外と知られていないその生態などについて400ページ以上にわたって詳しく書かれています。ウニの口は下側にあって肛門が上側にある、ウニには脳がなくて、全身に張り巡らされた感覚器官のネットワークで動いている、分類上はヒトデなどにちかく五放射相称になっている、食べる部分は生殖器だが雌雄の区別は肉眼ではほとんど分からない、など知らない事だらけで、大きく興味を掻き立てられます。
逆に、基本的な生態ですらよく分からない部分も多いそうで、驚かされます。
参考までに目次を紹介しておきます。
1.ウニについてのQ&A
2.ウニの行動
3.刺と管足
4.ウニの骨
5.神経系と硬さ可変結合組織
6.卵から親へ - ウニの発生学
7.ウニをおいしく食べる
8.身入りの科学 - 栄養貯蔵と配偶子形成
9.味の科学
10.ウニの生態学的な役割
11.世界のウニ漁業
12.人工種苗生産と放流によるウニの増殖
13.ウニの病気
14.ウニの化学物質
15.美ら島のナガウニに学ぶ
16.カシパンとブンブクの生物学
17.遺伝子・ゲノムからみるウニの特徴
18.ウニの進化史
こうやって目次をみると、まさにウニが「学問」として研究する深みのある分野であることが分かります。
脱力してしまうのが、
著者の本川達雄氏による自作の歌「ウニの刺」の楽譜が最後にのっているところです。
曲調は演歌風、歌詞はウニ学をきわめた専門用語を駆使したクールな仕上がりとなっています(笑)
雑誌「アイデア」最新号は、我が故郷宇和島が誇る世界的な奇才アーティスト大竹伸朗の特集です。
とはいえ、宇和島の人がどれだけこの人の存在を認識しているかはよく分かりません(宇和島で個展をやったというような話は少なくとも聞きません)。東京生れなのに、わざわざ宇和島という芸術の中心地とは決していえない(「世界の中心」ではあったらしいですが。。)場所へ引越して作品を作りそれを世界に発信するというのもなかなか「パンク」なものがありますが、作品自体も非常にパンクなものです。
今回の「アイデア」での特集は彼の「切り張り」作品を集めたものですが100ページを超える充実したものでこれ自体が彼の作品である、ともいえるような壮絶な内容になっています。偏狭的なまでの切り張り作業の末に完成された作品をさらにコラージュしたような内容ですが、情報過多にして猥雑な香りの立ちこめる彼の作品についてあれこれ言う文章力は私にはありません。
これまた奇才のボアダムズのEYEと組んだデュオPUZZOOのCDもついでに紹介しておきましょう。
美術の分野で行っていた切り張り作業を音楽でやったような内容ですが、全く関係のない雑多な音響やリズムが無造作に重ね合わされているのにも関わらず、曼荼羅を思わせるような宇宙的な調和が取れていて、同時にポップでユル〜イ感じも併せ持っています。
私がまだまだマイルス・デイヴィス初心者だったころこの本の「初期ヴァージョン」を参考にアルバムをコツコツと集めていたものですが、強烈な表紙に魅かれて久々にこの本を手に取ってみると内容のあまりの変貌ぶりにびっくりしました。
私がお世話になっていたのは多分Ver.2かVer.3だと思いますが、その頃と違い今や辞典級の分厚さへと成長しています。
収録アルバム数473枚というヴォリュームがものすごいですが、そのうち公式盤は100枚程度、残りはすべてブート盤という異常な比率もこの新ヴァージョンの価値を高めています。
よく知られているようにプロデューサーのテオ・マセロが巧みに膨大なスタジオ、ライヴ音源を編集し一つのアルバム・パッケージへまとめていて、それはそれ自体で1つの芸術品なのですが、マイルスの真骨頂はライヴにあるといえます。
特に60年代半ば以降、全ての曲をはっきり完結させずメドレー形式で繋いでいくようになってからは、一回のライヴ全体が一つの大きな作品のように扱われている訳で、それを無編集の状態で丸ごと聴くというのは大きな意味があります。
ライヴにこそ彼の音楽の本質があるとも言えます。
特に70年代は演奏される曲のテーマがメロディーというよりはモチーフ的断片までに制約されていて、それがロックやファンクを下敷きにした曼荼羅状のリズムの上で抽象的に展開されるので、公式盤での大幅に編集された状態だと、なぜそこでそういうフレーズになるのかという音楽の連関が分かりにくくなっているのです。
当時のLPフォーマットの制約もあり、そうした長大なライヴを全部収めるのは無理だったのですが、現在に至っても本来のライヴのスタイルで聴けるのはほんの少し、マイルスの半世紀にわたる多彩な活動を考えるとお寒い限りです。
そこでブート盤の登場となる訳ですが、種類が本当に多く音質、演奏内容も玉石混交、どれから聴いていいのやら全く分かりませんが、そこでこの「マイルスを聴け!」が出番となる訳です。
それぞれの盤の曲目、演奏メンバーはもちろん、音質や演奏内容に関しても分かりやすく記述されているので、どれから聴けばいいか当たりをつけるのに非常に便利ですし、すでに持っているものに関しても、中山氏はこういう風に考えているんだ、などと自分の感覚との共通点、相違点を比べるのも楽しいです。
最近のブート盤を聴いて思うのですが、公式盤なみの高音質なものも多くパッケージも洗練されてきて以前のいかがわしい雰囲気が少なくなってきています。
中山氏も本書のなかで書いているように、ブート盤のクオリティがどんどん上がっているのに対して、オフィシャル盤として出される各種ボックスセットの内容があまりにも貧弱、というのはうなずけます。
未発表ライヴをまとめてボックス化したようなものは嬉しいのですが、バラ売りで手に入るアルバムの音源に申し訳程度に別テイクや未発表トラックを足しただけのボックス・セットも多いのです。
この本はオノ・ヨーコの様々な作品の写真や短文を収めたもので装丁も奇麗でそれ自身楽しめるものですが、むしろポイントはおまけのDVDです。
オノ・ヨーコの映像作品の収められたこのDVDの内容は以下の通りです。
Film No. 4 (Bottoms)
Film No. 13 Fly
どちらも7分間の抜粋ですが非常に面白い映像で、このために本体の本を買っても良いくらいです。
Film No. 4 (Bottoms)は多くの人のお尻のアップ映像ばかりをひたすら繋ぎ足したものですが、どアップにすることによってよく分からない物体がゆらゆら動くユーモラスな作品になっています。
特にオススメなのがFilm No. 13 Flyです。
女性の裸体の表面を動き回る蝿をやはりどアップで撮影したものですが、蝿が画面に大きく映し出されるほどのアップなので女性の体はもはや皮膚や体毛ではなく、砂漠や森のように見えます。そしてサウンド・トラックはオノ・ヨーコのヴォイス・パフォーマンスですが、彼女の声があたかも蝿の鳴き声のように聞こえる効果があまりにも絶品です。
これは是非とも全編見てみたいものです。
私はこの商品を表参道のナディッフで購入しましたが、以下の出版元から直接購入することも可能です。
BAKHALL


