ビョークの久々の新譜です。彼女のアルバムは毎回毎回実験的な要素が増えてきてサウンドはどんどん内省的になっていきますが、今回もその路線をはずれることなく、より実験的、より内向きの内容となっています。なんといってもほとんど全てのサウンドが声、または声を電気的に加工した音のみから出来ています。いわゆるア・カペラ的なサウンドかというと単純にそうとも言い切れませんし、このサウンドをどう形容していいのか困ってしまいますが、とにかく全編異様な生々しさが非常に印象的です。ビョーク自身の声の多重録音だけでなく、ヴォイス・パーカッションを含む様々な「声」との共演がなされていますが、もっとも注目すべきはロバート・ワイアットとの共演トラックでしょう。唯一無二の声を持つこの2人の共演は感動的ですが、このアルバムの過激なコンセプトの中にうまくはまりこんでいるというのもある意味驚きです。
いずれにしてももはやポップ・ミュージックの枠を越えてしまったこの神秘的な音楽はもっと聞き込んでいく必要があります。
そして、わざわざ言及するまでもありませんが、ジャケットのセンスは相変わらず「飛んで」います。
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普通の感覚の人はビョークが宇宙人と中国人の合いの子のようにコンピュータ上で加工されたジャケットを見ただけで思わず引いてしまうと思いますが、サウンドもビョークの全アルバムの中でもっともハードな物だと思います。
基本的に弦楽八重奏とLFOのマーク・ベルによるエレクトロ・ビートのみという限定された音要素のみでアルバム全体が構成されていますが、一見水と油のようなアコースティックとエレクトリックの融合が非常にうまいバランスで達成されているのです。
マーク・ベルの作り出すサウンドはLFOの2枚のアルバムで見せていたそれよりもより先鋭的で、しばしば発振音風だったりホワイト・ノイズ風だったりする言ってみれば「粗い」音色がしばしば使われているのですが、その扱いが非常に巧みで、ローファイな感じは全くなく、全体のサウンドに力強さを与えるとともに、弦楽の美しい音色との絶妙なコントラストを生み出しています。
そこに、非常に倍音の豊かなビョークの歌声が乗る訳ですが、彼女も自分の声の美しさを生かすためにどういうサウンドと組み合わせればいいのか、というノウハウをきちんと心得ていて恐れ入ります。
この曲はスタンダードとして様々なジャズ・ミュージシャンによって演奏されて、晩年のビル・エヴァンスなどにもこの曲の感動的な演奏がありますが、ビョークが彼女のアルバム「デビュー」の中で歌ったこの曲の演奏はあらゆるミュージシャンの演奏を越えたナンバーワンだと個人的には思っています。
ハープ一本をバックに切々と歌うビョークの歌声は全てを浄化するようですし、ハープのピュアな音色は神聖な雰囲気を増長しています。
Vespertineのライヴではハープが全体のアンサンブルの要になるまでに重要視されていますが、それがはるか昔の彼女の初ソロ・アルバムですでに予感されていたとも言えると思います。
ビョークがロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで行ったライヴを収めたDVD。
これは、いいです!
我が家の至宝決定です。
オーケストラ・ピットには大編成のオーケストラ、ステージ上にはビョークに加えて、ハープを奏でる美しいソリスト、グリーンランドの10人あまりの少女たちによる合唱団、複数台のMacやエフェクターなどを駆使して繊細なエレクトロニック・ビートやサンプリングを奏でる、ちょっとオタクっぽい二人組という舞台構成で舞台背面には様々な写真やイラストが映し出されて実に美しいステージを構成しています。
本日オフ日だったので全部聴きました。
それぞれのアルバムのカラーに合わせてライヴでの楽器編成もがらりと変えていますが、どのライヴでも打ち込みやサンプリングによる電子音と、弦楽器などの生楽器がなんの違和感もなく共存している所が素晴らしいです。
特にVerpertine Liveでは電子音担当のミュージシャンとハープやチェレスタなどのソリストに加え、オーケストラとイヌイットの合唱団を加えてライヴをしてしまうというゴージャスぶりで、でもいかにもお金をかけました、という感じの「成り金サウンド」ではなく、逆に内省的な響きになっているところが面白いです。
このツアーの模様はDVDにもなっているようなので、今度買ってみようと思います。
ビョークのソロ・デビュー後の各時期のライヴを集めた4枚のCDとおまけのDVDのボックスセット買ってきました。
CD1 Debut Live
CD2 Post Live
CD3 Homogenic Live
CD4 Vespertine Live
という様にそれぞれのオリジナル・アルバムのライヴを一枚ずつ収める形になっていますが、バンドの楽器編成がそれぞれのライヴで極端に違っていて面白いです。
取りあえず一枚目のDebut Liveを聴いてみました。
このライヴはDVDでも出ていますが、チェンバロ、ポジティヴ・オルガン、サックス、ガムラン、タブラなどで構成されたバンドの演奏で曲ごとに編成を変えていて、バロック風だったり、インド音楽風だったりとDebutでお馴染の曲がまったく雰囲気の違ったアレンジで再構成されています。
ブックレットもたくさんのライヴの写真や、インタビュー満載でとても充実しています。



