7回に渡る長大な連載となりましたが、これが2晩、または1日かけて演奏されたオペラ一曲分となります。《LICHT》 を構成する、オペラとしての全曲演奏は、1996年の《FREITAG aus LICHT 光の金曜日》以来なので15年ぶり、そしてシュトックハウゼン没後の初めての演奏となります。作曲者がいないことで、苦労した面、逆に揉め事にならなかった面(笑)、双方あると思いますが、シュトックハウゼンが生前から地道に続けていた、正統的な演奏によって作品を後世に残すための努力が、今回のプロジェクトの成功につながったと感じました。
あとは《MITTWOCH aus LICHT 光の水曜日》の全曲初演、そして《LICHT》全曲の通し演奏を残すのみです。聴衆の反応も概して熱狂的で、不可能のように思われるこれらの悲願も遠くない未来に実現されそうな気がしました。
演奏:
HOCH-ZEITENオーケストラ版
指揮:Peter Rundel
オーケストラ:musikFabrik
サウンド・プロジェクション:Paul Jeukendrup
SONNTAGS-ABSCHIED
シンセサイザー:Mark Maes, Frank Gutschmidt, Fabrizio Rosso,
私と同じく、日本からこの公演を聴きにきた清水穣氏は、この場面のことを「オリンピック」のようだ、と言っていましたが、実は今回の演出家の関わるLa Fura dels Bausはバルセロナ・オリンピックの開会式で有名になったことが分かりました。下の動画で見られるセンスは今回の演出とも大きな共通点が感じられます。
《KLANG》の《HIMMELS-TÜR 天国への扉》でも扉が開いた後、サイレンが鳴る中、少女が扉の向こうへ歩いて行くシーンとの共通性も感じさせ、ボーイソプラノという声と宗教的な内容の結びつきは初期の重要作《GESANG DER JÜNGLINGE 少年の歌》を想起させますが、シュトックハウゼンが亡くなった今、この場面に接し、何とも言えない気持ちになりました。