2010年11月アーカイブ

本日は12月5日の双子座三重奏団ライヴの2度目のリハでした。
とりあえず曲順が決まったので、以下にお知らせします。
(現時点での状況なので変更可能性あり)

バッハやヘンデルの有名な、トランペット・オブリガート付のアリアが2曲並んだ演奏会もあまりないと思いますが、シェーンベルクのキャバレー・ソングから松田聖子のヒット曲まで、20世紀のポピュラー・ソングが並んだプログラムもさりげなく要注目です。

ちなみにバッハの今回取り上げる場面と、ペルトの1曲目の歌詞となる場面は、同一です。


田中吉史:ジェルソミーナ
A.シェーンベルク:ガラテア
J.S.バッハ:《クリスマス・オラトリオ》より
第7曲:彼は貧しきさまにて地に来りましぬ/たれかよくこの愛を正しく讃えん
第8曲:大いなる主、おお、強き王
伊左治直:ファンファーリア 
大村雅朗*:SWEET MEMORIES
伊左治直:竜の湯温泉郷への追憶(委嘱初演)
A.ペルト*:2つの子守歌
1. 聖夜の子守唄
2. エストニアの子守唄

G.F.ヘンデル:《メサイア》より
第47曲 ここで、あなたがたに奥義を告げよう
第48曲 ラッパが響いて
新垣隆:インヴェンションあるいは倒置法第3番(委嘱初演)
新垣隆:ゆうひが丘の総理大臣+α
A.C.ジョビン*:サンバしか踊らない
伊左治直:伯刺西爾音頭
中川俊郎:ミッシェル
中川俊郎:Xmas Song of Birds(初演)

*編曲:双子座三重奏団

ご予約はgemini3@me.comまでどうぞ。
先月、拙編曲による男声合唱版が出版された廣瀬量平氏の《海の詩》の女声合唱版も、同じカワイ出版より出版されました。

商品の詳細は以下のリンクを御覧下さい。
http://editionkawai.shop16.makeshop.jp/shopdetail/002002000619/order/

この女声版の初演(演奏:東京女声合唱団)もあと10日に迫りました。
ご興味のある方はどうぞお越しください。

東京女声合唱団第14回演奏会
11月28日(日)14時開演
石橋メモリアルホール

指揮:安達陽一 ピアノ:土屋律子

石若雅弥:こころの色
廣瀬量平:海鳥の詩
廣瀬量平(松平敬編曲):海の詩[女声版](委嘱初演)
ほか
前の記事のとおり、シュトックハウゼンのKLANGの音源や楽譜がほとんど出揃い、KLANGの連作全体としての俯瞰ができるようになりました(音源に関して言えば、CDが未発売の9,10時間目は放送音源が存在するので、全作品を聴くことが可能です)。

これを期に、KLANG全体の解説を少しずつ書きためていきたいと思います。

まずは、連作のアウトラインから。

---

1977〜2003年という長期間にわたって作曲された《LICHT 光》に続く、シュトックハウゼンの最晩年のプロジェクトが《KLANG 音》(2004-07)である。前作の《LICHT》は1週間の7つの曜日を7つのオペラで音楽化する壮大なプロジェクトであったが、《KLANG》は1日の24時間を24の作品で音楽化する連作である。2004年に第1時間目《HIMMELFAHRT 昇天》の作曲が開始され、3年後の2007年には21時間目《PRADIES 楽園》までが完成される、という驚異的なスピードで作曲がなされたが、残る3曲が作曲されないままシュトックハウゼンは逝ってしまった。

どの作品も1〜3名の演奏者を要するのみであり(13時間目以降は電子音楽を含む。10時間目のみ7人の奏者を要する)、室内楽的な慎ましさが本連作の特徴となっている。

ドアの打撃音のみで構成された《HIMMELS-TÜR 天国への扉》を例外とする全作品は、2オクターヴの半音階を構成する24音のセリーから、そのピッチ構造が決定されている。
《LICHT》においては、全曲の作曲にさきがけ、3声からなる演奏時間約1分の《ズーパー・フォルメル Superformel》が作曲され、このリズムやピッチ構造が29時間の連作全体の構造に投影されるように計画されていたのに対し、《KLANG》では、敢えてそうした連作全体のプランを考えずに作曲が始められた。つまり「結果として」24音セリーがほぼ全作品で使用された、ということになる。当初6時間目として計画された《COSMIC PULSES 宇宙の脈動》が、いくつかのスケッチの作成後に13時間目に変更されたことからも、この「無計画性」が伺える。

このセリーは冒頭の6音のセリーの、逆行形の移高形、逆行形、原形の移高形を組み合わせ、同時に全音程セリーとなるようにも周到に構成されている(ちなみにこのセリーは、偶然ながら《GURUPPEN グルッペン》など1950年代の複数の作品で使用されたセリーと同一である)。

《KLANG》を構成する24の作品に対応する24色の色彩も決められているが、こちらは作品の本質には、それほど深くは連関していない(スコアの表紙のタイトルの文字の色や、推奨される演奏者の衣装の色彩程度)。1時間目が暗い紺色ではじまり、徐々に色彩を変化させ緑を経て12時間目で黄色、赤色を経過して24時間目で暗い紫色で終わるという、グラデーションとなっている。

完成した全21作を作品の内容などから3つの作品群に分けることができる。

  • 1〜4時間目
  • 5〜12時間目
  • 13〜21時間目

1〜4時間目は、それぞれ別のアイデアで作曲されているが、便宜的に1つのグループにまとめた。

バス・クラリネット、フルートまたはトランペットのための独奏曲である5時間目《HARMONIEN ハーモニー》を三重奏に拡大する形で、6時間目《SCHÖNHEIT 美》が作曲された。7〜12時間目は、この6時間目の素材をもとにした様々な編成の三重奏曲である(例外:10時間目)。

13時間目《COSMIC PULSES 宇宙の脈動》は24層の電子音から作られた8チャンネルの電子音楽。14〜21時間目はこの電子音を3層ずつの8つのグループにわけ、それぞれに異なる独奏者、または独唱者を加えた作品である。

---

軽く全体の説明をしようとしただけでかなり長くなってしまいましたが、以降は各曲の簡単な解説を作っていきたいと思います。
1〜4時間目はすでに紹介もしているので、5時間目あたりからスタートしようと思います。
気がつくと、シュトックハウゼンのKLANGのCD音源も、あと1枚で完結、という状況になってきましたので、情報を整理しておきます。
「レコード芸術」をお読みの方は、発売されるごとに簡単なレビューを執筆していることをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

CD83: 
1時間目《HIMMELFAHRT 昇天》(sop, ten, synth)

CD84: 
2時間目《FREUDE 喜び》(2 hp)

CD85: 
3時間目《NATÜRLICHE DAUERN 自然な持続時間》(pf)[3枚組]

CD86: 
4時間目《HIMMELS-TÜR 天国への扉》(perc)、《24 TÜRIN》(tape)

CD87: 
5時間目《HARMONIEN ハーモニー》(b-cl, fl, tpの3版を収録)、
6時間目《SCHÖNHEIT 美》(b-cl, fl, tp)

CD88:
7時間目《BALANCE バランス》(b-cl, e-hn, fl)
8時間目《GLÜCK 幸福》(fg, e-hn, ob)

CD89(未発売):
9時間目《HOFFNUNG 希望》(vc, va, vn)
10時間目《GLANZ 輝き》(fg, va, cl, ob, tp, tb, tuba)

CD90:
11時間目《TREUE 忠誠》(b-cl, b-hn, es-cl)
12時間目《ERWACHEN 目覚め》(vc, tp, sop-sax)

CD91:
13時間目《COSMIC PULSES 宇宙の脈動》(電子音楽)

CD92:
14時間目《HAVONA ハヴォナ》(bass, 電子音楽)

CD93:
15時間目《ORVONTON オルヴォントン》(bar, 電子音楽)

CD94:
16時間目《UVERSA ウヴェルサ》(b-hn, 電子音楽)

CD95:
17時間目《NEBADON ネバドン》(hn, 電子音楽)

CD96:
18時間目《JERUSEM イェルゼム》(ten, 電子音楽)

CD97:
19時間目《URANTIA ウランツィア》(sop, 電子音楽)

CD98:
20時間目《EDENTIA エデンツィア》(sop-sax, 電子音楽)

CD99:
21時間目《PARADIES 楽園》(fl, 電子音楽)

ちなみに「1時間目」のCDの余白には、この曲で使用されているシンセサイザーの24種類の音色のデモンストレーション、「13時間目」の余白には、24層のセリーのループ音形のそれぞれの冒頭部分が収録されています。
14〜21時間目は、作品そのものの録音の前に、演奏家の練習用に電子音楽のみを抜き出した音源が収められています。

楽譜もほとんど出版済みで、残るは[10時間目」のみとなっています。

本来はシュトックハウゼンのCD情報をのせている、もうひとつのブログを更新すべきですが、放置状態となっています。。
私も参加した高木正勝氏の「タイ・レイ・タイ・リオ」プロジェクト、そのコンサートの模様やリハーサル映像などから構成した映画《或る音楽》がDVD化されて発売されました。

DVD化にあたり、映画では一部カットされている演奏シーンのノーカット版、私を含む9人の共演者のインタビューをまとめた映像なども特典映像も充実しています。

特典映像の中でも特に、高木氏のソロ演奏による《Girls》の演奏シーンは、カメラワークも面白くてお薦めです。

なんだかんだと2年間にわたり関わってきたプロジェクトだったので、感慨深いものがあります。
ちなみに、特典映像で、本番以来はじめて客観的に聴いた演奏があるのですが、即興でやっている部分が多いので、こんなこと演奏してたんだ、と驚くほど記憶にない演奏もありました。

双子座2010チラシ.jpg
(クリックで拡大)

低音デュオの本番の疲れも抜けきらないうちに、1ヶ月後に控えた双子座三重奏団の準備にもとりかからなくてはなりません。

双子座三重奏団クリスマス・ライヴ?

2010年12月5日(日)19:30開演(開演時間注意!)

出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
松平敬(声)

中川俊郎:Xmas Song of Birds(初演)、ミッシェル
伊左治直:竜の湯温泉郷への追憶(委嘱初演)、Fanfaria、伯刺西爾音頭
新垣隆:夕ひが丘の総理大臣+α、インヴェンションあるいは倒置法第3番(委嘱初演)
J.S.バッハ:《クリスマス・オラトリオ》より
ペルト:2つの子守歌
シェーンベルク:ガラテア
ほか

入場料:3500円(1ドリンク付き)

ご予約はgemini3@me.comまで。

クリスマスに関係ある曲、ない曲、様々なポピュラー・ソングの手の込んだアレンジなど色々と取り揃えました。

今回はいつもの公園通りクラシックスではなく、となりの恵比寿駅前の若干キャパの大きい会場を選びましたが、この会場の他の出演者の方々の顔ぶれを見ると双子座三重奏団がかなり浮いているように感じられるのは気のせいでしょうか。。。

皆様のご来場お待ちしております。
先日の低音デュオへご来場頂いた皆様、ありがとうございました。
当初はレパートリーが限りなくゼロだった本ユニットも、松平頼暁氏への委嘱新作をはじめ、充実したレパートリーが増えてきて、今回のライヴのプログラムの充実度はかなり濃厚だったのではと自負しています。

再演作品も、初演時よりさらに演奏の完成度を上げることができ、われながらそこそこ満足できる仕上がりになったと思っています。

ご来場頂けなかった方のために、拙作《天井のコラール》の楽譜と音源をアップしましたのでご笑覧いただければと思います(楽譜は、いくつかの誤植の訂正やリハ中に変更した点は反映されていません)。
楽譜の方は、下の画像をクリックするとPDFファイルが開きます。
tenjo.jpg

作品名の「天井」は、もちろん初演会場の門仲天井ホールから取っています。天井と天上を引っ掛けている訳です。
そして、天上のイメージから程遠い、バリトンとテューバという低音楽器で演奏する、というのも作曲上のひねりとなっています。
「コラール」というと、それなりの和声的な厚みが必要となりますが、低音デュオでそれを実現するために、テューバの重音奏法と倍音を強調する声の扱いによって、和声感を演出してみました。

次回の本番は、12月5日の双子座三重奏団、近日中に情報をアップします。

いよいよ明日に迫った低音デュオの本番に向け、リハーサルも着々と進んでいます。

演奏会でも配布しますが、今回のライヴのために松平頼暁氏に書き下ろしていただいた新作《Rotation I》の解説を、ご紹介します。

低音デュオの委嘱により作曲。演奏順が決まっている10頁と、後半のどこかで演奏される1頁から成る。順序が確定している10頁は上下逆に読むと、ソプラノとサクソフォンのための「Rotation Ⅱ」になる。IもⅡも、テクストは猿田長春訳詩の「しでなし ごでなし ろくでな詩」から「ゐたいところに」(I)と「ゐないをとこ」(Ⅱ)によっている。不在や不在願望をうたうテクストに対して「彼は常に我等と共にあり」という言葉が、英、独、仏、伊と日本語で語られる。

様々な飛び道具も活用して、バリトンとテューバという制約の多い編成から多彩な響きを生み出す奇作です。乞うご期待!

松平頼暁作品はこの他に、一枚ずつめくっていくトランプによって演奏内容が規定される「Why not?」も演奏します。

ご予約はteion2@me.comまでお願いします。
ご予約扱いは11月4日7:00までの申し込み分とし、それ以降は当日扱いとなりますので、ご来場予定の方はお早めにお越しください。

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おしらせ

双子座三重奏団うるう日ライヴ
2012年2月29日19:00-
門仲天井ホール

双子座2012チラシtogo.jpg

中川俊郎:バッハーズ・アロウ
森田泰之進:こうふくのしま
鈴木治行:蛇行
山本哲也:スライドホイッスル三重奏曲
ケージ:ラジオ・ミュージック
ほか

出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
松平敬(声)

予約受付は終了しました。
こちらで生中継します。

■タリス:40声のモテット
(一人の歌手による多重録音)

ご試聴、ご購入は以下まで
iTunes
e-onkyo music
OTOTOY

■松平敬 1stアルバム
《MONO=POLI》

 マショーからケージまでの声楽アンサンブル作品を、多重録音によってすべて一人の声のみで演奏したアルバム。
 16声部のリゲティ《ルクス・エテルナ》も収録。

ENZO Recordings
EZCD-10006
平成22年度文化庁芸術祭
レコード部門優秀賞受賞作品

文化庁芸術祭シンボルマーク

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