前編: [メモ]CD製作の工程 その1
・音源編集(2009年8-9月)
自分の意図した音像を作り上げるため、編集作業は私自身が自宅で1ヶ月かけ、じっくりと行いました。スタジオでPro Toolsから書き出してもらった各トラックのWAVファイルを自宅のLogic上に最構成し、細かくピッチ、リズム、音量バランスを補正しました。
「編集」というとクラシック端では特に「ごまかし」っぽく捉える人も少なくありませんが、言ってみれば指揮者がリハーサルでアンサンブルを鍛えあげていく過程をコンピュータ上に置き換えたようなものです。
本アルバムでは編集作業はむしろ積極的に行い、生演奏ではできない境地を目指しました。
ちなみに上の画像は16声のリゲティの《ルクス・エテルナ》をLogic上で編集している画面です(クリックで拡大。24bit 96kHzで16トラック(+補助トラック)を編集するのはマシンにはかなりの負荷だったはず)。
編集で大活躍したのはMelodyneというオーディオ編集アプリケーションです。MIDIファイルを扱うかごとくオーディオ素材を自由に編集するこのソフト、音声ファイルを「音符」に分割してエディットできるので、この一音だけほんの少し高く、弱く、といった編集で重宝しました。当然やりすぎると、不自然な音になるので、その匙加減がポイントでした。
・編集仕上げ、ミックス・ダウン(2009年12月)
録音の印象を大きく決めるリヴァーブは高品質なものを使いたい、という嶋田氏の希望もあり、私のマシンのLogicで各トラックの音量バランスをとった状態のものをWAVファイルに書き出し、そのデータを収めたハードディスクを嶋田氏へ送付しました(パン設定はメールで送信)。
そして、嶋田氏のマシン上でリヴァーブをかけ、ステレオ・ミックスを作成する作業を行いました。中世から現代までさまざまなスタイルの作品を集めたので、教会風の残響から、ドライな状態まで種々の状態が混在する結果になりました。
・マスタリング(2010年1月)
古い曲から新しい曲、2声から16声まで、多種多様な作品を集めたため、各曲の音量バランスを取るのには苦心しました。一度マスタリングしてみたものの、アルバム全曲を改めて聴いてみると、あまりバランスがよくなかったので、再度調整、ということになりました。
嶋田氏と直接やりとりする時間が取れなかったので、私のマシン上のWaveBurnerで音量補正をし、このトラックは2dB上げ、などというデータを知らせ、嶋田氏にもチェックしてもらいました。そして、明日、その最終確認をしてプレス工場に送る最終マスターが仕上がるはずです。
なお、編集仕上げ、ミックス・ダウン、及びマスタリングはSamplitudeで行いました。



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