2008年8月アーカイブ

今後1ヶ月間の出演情報を、お知らせ済みのものも含めて掲載しておきます。

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ソロ・アンサンブルの夕べ

8月30日18:30開演、南予文化会館(愛媛県・宇和島市)

女声アンサンブル:声友うわじま(ピアノ:長尾恵、西川真紀)
ソプラノ:工藤あかね、バリトン:松平敬、ピアノ:福崎由香

曲目:

ラインベルガー:ミサ曲作品187

シューベルト:愛の使い
モーツァルト:クローエに
バッハ:わが心よ、おのれを浄めよ(「マタイ受難曲」より)
ハイドン:やさしき妻よ(「天地創造」より)
ドヴォルザーク:月に寄せる歌(「ルサルカ」より)
ラヴェル:ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ

ドニゼッティ:私の生まれたあのお城(「アンナ・ボレーナ」より)
ショパン:エチュード作品10-12、25-1、10-3
ヴェルディ:天使のように清純な娘を(「椿姫」より)

木下牧子:ファンタジア

入場料:自由席2000円(当日2500円) 高校生以下1000円(当日1500円)

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シュトックハウゼン追悼演奏会

9月12日19:00開演、門仲天井ホール

曲目と演奏者(曲順未定):

シュトックハウゼン:
「ピアノ曲X KLAVIERSTÜCK X」(1954-55/61)   ピアノ:保都玲子
「シュピラール SPIRAL」(1968)   声、短波ラジオ:松平敬
「ティアクライス TIERKREIS」(抜粋)(1974/75)   ソプラノ:工藤あかね
「友情に IN FREUNDSCHAFT」(1977)   サクソフォーン:白井奈緒美
「舌先の踊り ZUNGENSPITZENTANZ」(1983)   ピッコロ:井原和子
「7つの日の歌 DIE 7 LIEDER DER TAGE」(1986)   バリトン:松平敬

入場料:予約¥2500、当日¥3000

ご予約希望の方は私までメッセージ下さい。

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WINDS CAFE 141《バベルの声》

2008年9月28日(日)13:30開演(開場13:00) 16:00〜 パーティ+オークション
カノンホール(四ツ谷駅下車7分)

出演:松平 敬(声)

演奏予定曲目:
グレゴリオ聖歌:
「アヴェ・マリア」「めでたし海の星」「めでたし女王」
M. カーゲル:バベルの塔(2002)【日本初演】
J. ケージ:FOUR6(1992)
A. ルシエ:バリトンと正弦波のための音楽(1993)
K. シュヴィッターズ:ursonate(全4楽章)(1922-1932)

入場無料(投げ銭方式)、パーティー用の差し入れ歓迎
やや特殊な形態の企画ですので、詳しくはWINDS CAFEのページをご覧下さい。

昨日、サントリー・ホールへこの大作全曲(休憩込みで2時間)が演奏されるということで、聴きにいきました。

ヴィオラの演奏する倍音列からとった旋律が、最後に大オーケストラの響きへとゆっくり拡大していく効果は、聴覚的にも視覚的にも生演奏で体験しないと分かりません。

単一の音響に含まれる微細な倍音の構造をオーケストレーションするような音楽なので、楽器間の音量バランス、微分音、金管のミュートの処理など、演奏に際して相当に細やかな配慮が必要ですが、昨夜演奏を担当した東フィルは大健闘だったと思います。なんといっても指揮のピエール=アンドレ・ヴァラドが作品を熟知し、鋭敏な耳で的確にリハーサルを進めていったのが大きいのでしょう。

グリゼー門下の夏田氏の曲目解説も秀逸です。
この種の解説は読んで後悔する内容のものが多いだけに、作品をきちんと把握した上で書かれたこのような文章は貴重です(というか、本来そうでなくてはなりません)。

フランス料理のような微細な音色を持つオーケストレーションの印象を言葉で表すのは難しいですが、液状化した音響が固形物に変化したり、リゲティ風のミクロ・ポリフォニー的な音塊が単一の音響へと収束していったり、音響の空間移動にも一定の配慮があったり、など音色マニアにはたまらない音響実験が満載でした。

気息音風のノイズを多用したラッヘンマンが「子音の音楽」ならば、倍音変化をオーケストレーションしたグリゼーは「母音の音楽」と呼べば良いのでしょうか。ドイツ語とフランス語の言語の特徴が影響しているのか、などと考えたりもしました。

特に後半は大オーケストラを使って、「あ〜う〜い〜」などと言葉を話させているような印象を受けましたが、ホーミーをオーケストレーションするとこんな感じか、などと妄想してみたり。

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プログラム冒頭に、来年シュトックハウゼン《グルッペン》をやる、と書かれていましたが、昨日サントリー・ホールの舞台をみて、ますます疑心暗鬼になりました。
聴衆の左、正面、右に完全に分離された3群のオーケストラを配置するためには一階席のかなりのスペースをつぶして仮ステージを作らなくては、無理ですし、サントリー・ホールの客席の構造を見ると、それもかなり無理があります。
ステージ上に3つのオケを配置する、という作曲者が忌み嫌う最悪な方法を考えているのだと思いますが、そこに目をつむったとしても、ステージ上にぎゅうぎゅうに奏者が詰め込まれる状態になり、良い演奏は期待できないでしょう。

《グルッペン》の音楽の面白さの主眼の一つは音響の空間移動です。
いつもはステレオで聴く《少年の歌》の音響が、4チャンネルで前後左右に移動するのを期待して、コンサートに行ったらステージ上にスピーカーが4つ並んでいたらがっかりすると思います。
《グルッペン》オーケストラの音響が、左右、正面に動き回るのを期待してコンサートに言ったら正面で左右にこそこそ動いているだけで、しかもオーケストラが密集しているのでその効果すら怪しい、ということになりかねません。

同時期のもので同じくらいの演奏の難易度(=リハーサル回数=予算)だと、名作《プンクテ》があるのに、なぜそれを演奏しないのでしょうか?

シュトックハウゼンの生誕80年に合わせてWDRでは大きな特集番組を組んでいて、昨日お伝えした「バランス」世界初演の生中継などもあったのですが、その後の放送の中で未だCD化されていない「MIXTUR 2003」が放送されていました(仕事の都合でリアルタイムでは聴けず、録音しておいたものから発見しました)。

これは60年代の「MIXTUR」の不確定な部分をすべて固定させた新版で、「3xREFRAIN 2000」や「STOP und START」と同じ系列の作品が、やや不運な運命を持っています。もともとフランスで初演される予定だったのがリハーサルの回数で主催者側と折り合いがつかずキャンセル、その数年後シュトックハウゼンの指揮でザルツブルク音楽祭で初演される予定でしたが、リハーサル中にシュトックハウゼンが体調不良になり帰宅、本人不在のまま代理の指揮者によって初演されました。
この録音は残っているはずで、演奏が良ければCD化する、という話を聞いていましたが、未だにCD化が実現していません。

「MIXTUR 2003」は一つの演奏会で2種類ののリアリゼーションが演奏されるように作られていて(オリジナルMIXTURのCDもそうなっています)、それぞれ「正行ヴァージョン」と「逆行ヴァージョン」と名付けられていますが、ここで放送されたのは正行ヴァージョンの全体です。
オーケストラの音色が徹底的にリング変調される作品ですが、MIXTURの今聴ける録音はこの効果が十分に収められていません。「マントラ」でもそうでしたが、リング変調の効果をアナログ機材で忠実に録音するのは難しいようです(アナログ、デジタルの違いではなくミキシングの技術に原因があるかもしれません)

「マントラ」の作曲者監修による新しい録音を聴いた時にあまりのリング変調の美しさに感動しましたが、このMIXTUR 2003もmp3のストリーミング放送ながらオリジナルの録音よりもはるかにリング変調の様子が美しく収められていて作品の印象ががらりと変わりました。
シュトックハウゼン作品に関わらずリング変調をアナログ録音で聴くと非整数倍音の響きがやや暴力的に聴こえるのですが、デジタル録音で聴くと鐘のような音色の効果が立体的でとても耳に心地よく聴こえます。

他にも何度か演奏されているはずですので、正規のCDとして発売して欲しい所です。

ケルンで行われた、シュトックハウゼンの遺作、KLANG7時間目「バランス」の世界初演がたった今終わりました。
WDRで生放送をやっていたのを聴きましたが、現地時間でのこの曲の演奏開始時間は23時15分、日本では大晦日以外あり得ない設定です。そのお陰で日本時間でもちょっと早起きすればライヴで聴ける時間になったのでラッキーでした。

KLANGの6時間目〜12時間目はどれも5時間目「ハーモニー」の素材をもとに作曲された三重奏曲です(10時間目「GLANZ」のみ変則的に4楽器の加わった7人の奏者を必要とします)。
従って7月に初演された10時間目「GLANZ」を聴けばこの新作の雰囲気も大まかに想像が付いたのですが、兄弟のように似た曲同士でもその響きは全く異なります。

「GLANZ」の中核となる三重奏はファゴット、ヴィオラ、クラリネットですが、「バランス」はバス・クラリネット、イングリッシュ・ホルン、フルートの三重奏、「GLANZ」のタイトルの通りの輝かしい雰囲気に比べてこちらはより落ち着いた渋い色彩の響きでした。
当然バスクラやイングリッシュ・ホルンという楽器の選択にこの音色感が大きく影響しているのですが、そこにフルートの高音が加わることで、文字通り響きに「バランス」が保たれるように考えられています。

私が耳で聞いた限りでは、「GLANZ」は5時間目「ハーモニー」の構造を順になぞりながら作曲されていたようですが、「バランス」ではこの構造を逆行するように作曲されている模様です。
「GLANZ」では作品のはじめに演奏者が「Gloria in excelsis Deo」というラテン語のテキストをしゃべるイベントがありましたが、「バランス」では作品の最後にこのイベントが来て、その後全員が同時に「ハーモニー」アルペッジョを演奏しながらディミヌエンドで終わり、という構造になっています。
作品の中盤あたりで様々な組み合わせの二重奏による部分があったのもこの作品の大きなポイントでしょう。
「ハーモニー」でのゆったりした旋律断片、それを圧縮した疑似ハーモニー風のアルペッジョを様々に組み合わせるのは「GLANZ」と全く同じです。

同じ素材を使って何曲も作曲すると、だんだん焼き直し感が強くなってくるものですが、もとの素材自体がよく考えて作曲されているので、いろいろ聴くことによって逆に作品の構造をより深く聴取できるのが面白いです。

本日はシュトックハウゼンが生きていれば80歳の誕生日となるはずでした。
この日を待たずして亡くなってしまったのは残念ですが、彼の勤勉な性格のお陰で、まだ初演されていない作品がざっと10曲ほどあります。すべて最後の2年間で書き上げた曲ばかりです。
本日もケルンでKLANG7時間目《バランス》が初演される予定ですし、1週間後にはさらに9時間目《希望》の初演も待っています。

せっかくですので、シュトックハウゼンの秘蔵映像の情報を紹介しましょう。

helidvd.jpgまずは《ヘリコプター弦楽四重奏曲》のメイキング映像のDVDです。この曲のアイデアを知ってただの狂人作曲家だと思っている方はこのDVDを見て反省すべきでしょう。思いつくだけなら誰でもできますが(とはいえ常人にはありえない発想です)、それを実際の演奏にこぎつけるためのシュトックハウゼンの忍耐と職人的な努力がこの映像に収められています。現在発売中の「レコード芸術2008年09月号 」に私がこのDVDについて書いた記事も載ってますので、興味のある方はこちらもどうぞ。

これは国内のショップでも簡単に手に入るので「秘蔵」という程ではありませんが、以下の2点(DVD-R)はシュトックハウゼン出版のみからの発売のはずで、レア度も高いです。

■「ヒュムネン・オーケストラ付き版」(1984)
ハンガリーのオケを燕尾服姿(!)のシュトックハウゼンが指揮をしています。

■「リエージュのためのアルファベット」(1972)
これは究極のレア物にしてケッサク映像と言えるでしょう。
様々な部屋に分かれた演奏者が、それぞれ極めて怪しげな「演奏」を繰り広げ、聴衆はその部屋を自由にめぐるというものです。
若き日のエトヴェシュやフェッターの姿も見えますが、フェッターが(おそらく)彼の奥さんとキスをしながらホーミーをするシーンが強烈です。他のシーンも60〜70年代のサイケデリックな雰囲気に満ちていて、「前衛音楽の旗手」としてのシュトックハウゼン像しか知らない人にとっては衝撃的かもしれません。《光》以降の神聖な雰囲気とも全く異なりますが、直観音楽からフォルメル技法へと彼の音楽観が大きく変容していった特別な時期ならではのものなのでしょう。

他の映像もカタログでチェックできますが、以前はVHSだけだったのが、DVD-Rのものが増え、映像そのものの種類も増えてきています。

先日お知らせした演奏会の曲目と演奏者の詳細を取急ぎお知らせします。
(曲順未定)


「ピアノ曲X KLAVIERSTÜCK X」(1954-55/61)
ピアノ:保都玲子

「シュピラール SPIRAL」(1968)
声、短波ラジオ:松平敬

「ティアクライス TIERKREIS」(抜粋)(1974/75)
ソプラノ:工藤あかね

「友情に IN FREUNDSCHAFT」(1977)
サクソフォーン:白井奈緒美

「舌先の踊り ZUNGENSPITZENTANZ」(1983)
フルート:井原和子

「7つの日の歌 DIE 7 LIEDER DER TAGE」(1986)
バリトン:松平敬

以下の演奏会に出演しますのでお知らせします。

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◆シュトックハウゼン追悼演奏会◆
9月12日(金)19時開演 @門仲天井ホール

曲目
シュトックハウゼン:舌先の踊り、シュピラール、7つの日の歌、ピアノ曲X ほか

出演:
松平敬(バリトン)、工藤あかね(ソプラノ)、井原和子(フルート)、
保都玲子(ピアノ)、白井奈緒美(サキソフォン)
入場料:予約¥2500、当日¥3000

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私は「7つの日の歌」(日本初演)と「シュピラール」を演奏します。
他の出演者もシュトックハウゼン講習会で学んだ人たちです。

ご予約はこちらのフォームよりお願いします。





ところで、本日は「ギララの逆襲・洞爺湖サミット危機一髪」を見に行きました。

予告編はこちら

何とも味わい深いB級怪獣映画ですが、最後にビートたけし扮する「たけ魔神」がこの怪獣と戦います。
水野晴郎やみうらじゅんなど、豪華な特別出演の面々も見どころです。

ケッサクなのは各国首相の巧みなキャラ設定です。
日本の首相はお腹の弱い「いべ」首相、そしてなぜか前首相の「大泉」首相も登場します。
フランスの「ソルコジ」大統領は通訳の女の子をくどいてサミットをサボったかと思うと、あとで思わぬ活躍をしたりと気が抜けません。
なぜか「北の国」のあの方も登場して核ミサイル「ポテドン」(しっかりミサイルにはハングル文字が。。)を発射したりと、やりたい放題です。

そして最後のあまりにもあっさりとした無感動なエンディングに絶句(笑)

そして、たまたまだったのですが、私が行った上演時間のあとに監督やギララが映画館にやってきてトークショーをやるということを知り、軽く興奮しました。

gilala.jpg

「ギララさん」って何よ、という感じですが。。



トークショーの様子はこんな感じです。写真ブレまくりですみません。
予期せぬ出来事だったのでデジカメ用意してませんでした。
普通に怪獣立っています(左)。

gilala1.jpg

なんともゆるくてマニアックな怪獣トークが絶品でした。
間違っても「ポニョ」見て喜ぶこどもが楽しめる映画ではありません。



座席の近くをギララが通って行ったのでこれも激写。

gilala2.jpg

監督曰く、動員悪くて(笑)いつまで見られるか分かりませんので、気になる方はお早めにどうぞ。
なぜかこの作品、ヴェネツィア映画祭に招待されたそうです。「北の国」ネタの反応が気になります。

ちなみにイタリア首相の考えたギララ撃退作戦はあまりにも原始的で失笑しました。

BBC Promsでは昨日シュトックハウゼンの作品を集めた演奏会を行いましたが、その音源を1週間限定で以下のURLから聴くことができます(65kbps)。

http://www.bbc.co.uk/iplayer/episode/b00ct17p/
(アクセスが殺到しているようで、時々プレイヤーが再生できませんが、その場合は時間をおいてアクセスしてみて下さい)

《グルッペン》、KLANG13時間目《COSMIC PULSES》、KLANG5時間目《ハーモニー》をここで聴くことができますが、この日のコンサートの三分の一に過ぎない所が羨ましい限りです。
(残りの音源もBBCのHPから探すことが出来ます)

ここで貴重なのが、《ハーモニー》のトランペット版世界初演の音源です(演奏:マルコ・ブラウ、1時間10分辺りから)。
同曲のバス・クラリネット版、フルート版はすでに昨年初演されていて(楽譜も出版済)、管楽器による幅広い音域にわたるアルペッジョの超絶技巧が印象的でしたが、これをトランペットでどうやるのかが興味津々でした。

トランペットの音域に合わせて、オクターヴの変更がかなりされていますが、それでもトランペットで演奏するには限りなく演奏不可能に近い跳躍が当たり前のように出て来ます。
さすがのマルコ・ブラウもかなり苦戦している様子が録音から窺えますが、それでもかなりの健闘だと思います。

この版独自の要素はイントロの4つのフェルマータのロング・トーンの間の3つのパウゼに「Lob sei Gott」(神に讃美あれ)と演奏者が声を出してしゃべることです。
GLANZにも同じように演奏者が「Gloria in excelsis Deo」としゃべりますが、6〜12時間目はこの5時間目《ハーモニー》を素材とした作品なので作品にもこうした要素が含まれているものと思われます。
2台ハープのための2時間目《喜び》もハープ奏者が「Veni creator」の24行の詞を歌いながら演奏することから、晩年のカトリック的な要素の強まりが感じられます。

ちなみに5時間目《ハーモニー》(2006年作曲)は「5」という数字にこだわって構成されています。
ピッチ構造としては、KLANGの24音のセリーの反行形を基礎としています。
イントロの4音のロング・トーンはセリー(原形)の第5音目から始めるための処理で、この曲を構成する5つの部分はセリーの原形の5,6,7,8,9音目をそれぞれ開始音とします。
それぞれの部分は24音のセリーの反行形に第1音目を加えた25音のセリー(=5×5)の提示で出来ていますが、この25音のセリーが、さらに3-4-5-6-7音の5つのグループに分かれます。
それぞれのグループではまず長い音価でメロディーとして演奏され、つづけて音域を広げてテンポを速めアルペッジョのように繰り返して演奏することにより、メロディーをハーモニーのように聴かせる試みが行われます。
ちなみにこの繰り返しの数はフィボナッチ数列の3-5-8-13-21から選ばれ、この5種類の回数が5つの部分でそれぞれ異なるセリエルな配置を施されます(繰り返しの方法もテンポ、オクターヴ、奏法を変化させたりトリルで演奏したりと変化がつけられています)。
ちなみにそれぞれのグループごとに異なる半音階テンポが指定されているので、全曲で25のテンポが提示されることになります(実際は若干の重複や、構造外の挿入句がはさまれます)。

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おしらせ

■松平敬 1stアルバム
《MONO=POLI》


 マショーからケージまでの声楽アンサンブル作品を、多重録音によってすべて一人の声のみで演奏したアルバム。
 16声部のリゲティ《ルクス・エテルナ》も収録。

ENZO Recordings
EZCD-10006

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松平敬 - モノ=ポリ・ひとりの声のための交響曲

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