2007年7月アーカイブ

ぎりぎりのお知らせになってしまいましたが演奏会のお知らせです。
マタイのイエスのパートをやります。

ドイツから帰国して落ち着く暇なく色々な予定が詰まっていたのが、逆に身体がバッハ・モードに切り替わる手助けになったようです。
1週間前はキュルテンで1日中ラジオと格闘しながら「シュピラール」を練習していたのが信じられないくらい昔の事のように感じます。

J.S.バッハ「マタイ受難曲」BWV244

日時: 2007年7月22日(日)
午後1時開演 午後1時開演(4:40終演予定)
場所: 川口リリア音楽ホール

ソプラノ:武田裕子 
アルト:中島豊子
テノール:川瀬幹比虎
バス:浅井隆仁 宇野徹哉  
バス:松平敬(イエス)
合唱:バッハ協会合唱団 
児童合唱:町田コダーイ合唱団 
管弦楽:バッハ協会管弦楽団

指揮、チェンバロ:山田 康弘

主催:バッハ協会管弦楽団・合唱団 048-647-2601

無事帰国しました。

シュトックハウゼン講習会の楽しみは、レクチャー、レッスン、コンサート以外に、各種スコア、CD、文献などを売店で閲覧、購入出来ることにもあります。

すでにCDは発売済のものは全て所有しているため買うものがないのが残念ですが、いくつかの文献、スコアを購入しました。

文献としてTEXTEの3巻、4巻、スコアは「3xルフラン 2000」、「ヒュムネン」オケ版、「ティアクライス2003年版」、KLANG2,4時間目などを購入しました(2時間目のスコアは受講生特典で半額で購入)。
そして何年も前から興味は持っていたものの高価な為購入をためらっていた「少年の歌」のファクシミリ版スコア&スケッチも遂にゲットです。

「自然の持続時間」は24曲目までの全曲のスコアのコピーを近日中に送付してもらう予定ですが、すでに入手済の15曲目までも細部の改訂を施したコピーを再度送付してくれるそうで非常に楽しみです。
5月の企画のために作成した同曲の分析資料を送ったところ、日本語のままにも関わらず非常に喜んでもらい、同時期にたまたまドイツの音楽学者が行っていた同曲の分析と比べても、こちらの分析の方が踏み込んでいる部分も多く、全曲の分析を改めて行おうと考えています。

そして、演奏終了後にシュトックハウゼンからスペシャル・ニュースを授かりました。
KLANGシリーズの1曲としてバリトンと電子音楽のための新作をすでに作曲済とのことでした!
いままでバリトン・ソロのためのオリジナル作品がなかったのですが(アンサンブル作品、バス独唱の作品はあります)、ここにきて遂に登場しました。

スコアも興味があるのなら送ってくれる、ということで、大興奮です。

タイトルや何時間目になるのかはよく覚えていなかったようですが、十何時間目だったかな、というような話をしていたので、KLANG24曲完成はそう遠くない未来のようです。

最終日のプログラムは以下の通りです。

ピアノ曲X
オクトフォニー

ピアノ曲Xでは素早いパッセージと突然の沈黙、あるいは極端に長い残響音、ハーモニクスなどのコントラストを興味深く聴きました。

オクトフォニーは前回聴いた時は数人の器楽奏者が加わった変則的な版でしたが、今回は完全に8チャンネルの電子音楽だけの版。

身体を取り囲むように聴こえる重厚な和音、上下左右にグリッサンドしながら動き回る様々な音素材が70分近く展開されますが、長い曲にも関わらず全く飽きることなく聞き通せました。
電子音楽マニアにはたまらない音響で、中央付近の席を確保出来なかった数人の聴衆がミキサー席の真後ろの床に座って聴くハプニングもありました。

そして、土曜日の私のSPIRALの演奏に対して、遂にシュトックハウゼンより賞金を頂くことができました。きちんと賞の名前がある訳ではないので翻訳が難しいのですが、2等賞に相当する評価を受けることが出来ました。
ちなみに、本来想定していた3人に絞ることができなかったので、1等賞に相当する賞金を2人、2等賞に相当する賞金を4人で等分する形になりました。

昨日は無事に電波も拾え「シュピラール」を演奏することができました。

とりいそぎ昨晩の受講生コンサートの曲目のみ

SPIRAL
ZUNGENSPITZENTANZ
TIERKREIS(メゾ・ソプラノとシンセのたもの版)
Xi(フルート版)
EVAs SPIEGEL
SUSANIs ECHO
DIE KLEINE HARLEKIN
ELUFA

後半はクラリネット・クラス、フルート・クラスの受講生揃い踏みのメドレー形式でのプログラムでした。

本日は最終日、ベンヤミン・コブラーによる「ピアノ曲X」の初披露と「オクトフォニー」の予定です。

昨晩のプログラムは今回の講習会のクライマックスとも言える素晴らしい内容でした。

MICHAELs RUF
KLANG5時間目「ハーモニー」(フルート版・世界初演)
トランペッテント
ティアクライス(テノールとシンセのための版)
KLANG13時間目「宇宙の波動」

MICHAELs RUFは4本のトランペットのためのファンファーレ的な作品です。
バス・クラリネットが原曲の「ハーモニー」をフルートのためにアレンジした版もまた違った魅力があり楽しめました。
管楽器では至難な高音域に渡る急速なアルペッジョの効果は、さながら6本の弦を持つヴァイオリンのための作品のように響きました。

トランペッテント(正確な発音はトゥルンペテント)はまた4本のトランペットのための作品ですが、4人の奏者が客席の外から登場し、客席の間を様々に動き回ることによって、素晴らしい空間移動の効果を生み出していました。
最後の部分でステージ状のテントの中へ移動、テントの4つの穴からトランペットのベルだけ出して演奏する瞬間には失笑が漏れていましたが、音楽自体は極めて美しいものでした。

ティアクライスのテノールとシンセのための版は3年前にも聴きましたが、やはりアントニオの秀逸なシンセのプログラミングが素晴らしいです。

そして昨晩の圧巻が8チャンネルの電子音楽「宇宙の波動」でした。
超低音から超高音まで配置された24のレイヤーが奏でるメロディーが様々なテンポで、複雑な空間移動をしながら重なっていくのですが、あまりの複雑さにそれぞれの音を追うことは全く不可能です。

聴いた後しばらく平衡感覚がおかしくなるほどの濃密な音の密度が限界を知ることなくどんどん高まっていく凄まじい内容で、彼の電子音楽の最高傑作と言っても良い仕上がりだと思いました。

そして演奏が終わったあとの聴衆の反応はロック・コンサートのようでした。

さて、本日は私が「シュピラール」を演奏しなくてはなりません。

昨晩は2回目の受講生コンサートでした。

「友情に」(ファゴット版)
「ピアノ曲V, VII」
「ハルレキン」

ファゴット版の「友情に」は視覚、聴覚ともに楽しめるものでしたが、昨晩の圧巻は「ハルレキン」でした。
本講習会の常連でクラリネット・クラスの中で最も優秀な受講生のミケレ・マレッリの演奏とあって期待をしていましたが、予想通りの名演でした。
もともと女性のクラリネット奏者を想定した作品でしたが、彼の中性的な雰囲気のおかげでそれほど違和感を感じませんでしたし、技術的に余裕がある分、女性が演奏するよりも女性的なエレガントさを感じました。

45分あまり至難なパッセージを演奏し続けながら、ダンサーなみにステージを動き回る難曲で、丸2年準備をしたそうですが、彼の手にかかると、その至難さはほとんど感じさせず、むしろ演奏を楽しんでいる印象をより強く感じました。

昨晩のプログラムは以下の通りです。

KLANG5時間目「ハーモニー」(バス・クラリネット版・世界初演)
KLANG4時間目「天国への扉」
「水曜日の別れ」

KLANGの新作は、これまでの同シリーズの作品に比べて短めの作品(約15分)となります。バス・クラリネット独奏のためのこの作品は様々な音域で奏される数音からなるメロディーの断片が、幅広い音域の素早いアルペッジョの繰り返しで、和音のように奏され、それがリタルダンドすることによって再びメロディーに戻る、などのイベントが様々に繰り返される作品です。
一見非常に地味な作品ですが、リハーサルで何度か繰り返し聴く内に作品の面白さがじわじわと分かってきました。
神秘的で美しい作品ですが、幅広い音域を瞬時に切り替えるのは管楽器では相当演奏困難だと思われます。

「天国の扉」は初演を生で聴き、CDでも繰り返し聴いた作品なので、より作品の細部を楽しむ事ができました。演奏も昨年より格段に進歩したように感じました。

「水曜日の別れ」は立方体状に配置された8チャンネルの電子音楽ですが、上下左右に広がる白昼夢のような音響がゆったりと楽しみました。

コンポジション・セミナーはさらに先の部分の分析でしたが、ハープのグリッサンドに満たされた部分をどのように作曲したかの説明は非常に興味深かったです。
セリエルな構造と、ハープのペダリングによる非セリアルな音響を混ぜ合わせる発想を特に興味深く感じました。

昨晩は第一回目の受講生コンサートでした。

「カティンカの歌」(電子音楽付きの版)
「ピアノ曲XII」

コンポジション・セミナーは24のモメントに分かれた作品の各部分を詳細に説明しながら進んでいっていますが、今回の作品は、シュトックハウゼンにしてはシンプルな作りなので理解は容易です。そのせいか、シュトックハウゼンの作曲の癖がよく見えてきて興味深いです。
分析の後に、ハープの実演を聴くスタイルで作品の理解に大いに役立ちますが、演奏するたびにステージ上で演奏のダメ出しをするのが個人的にはツボにはまりました。

昨夜のコンサートの曲目です。

「友情に」(トランペット版)
「コメット」(打楽器版)
「月曜日の合唱」(8チャンネルの電子音楽)

トランペット版の「友情に」は初めて生で聞きましたが、最低音域から超高音まで頻繁に跳躍し同時に楽器を上下左右に動かすこの作品は、木管楽器では簡単なこともトランペットでは超絶技巧になります。
マルコ・ブラウも健闘していましたが、マルクスの神業級の領域にはまだ及んではいません。

「コメット」は予想通りの好演。

「月曜日の合唱」は生では初めて聴きましたが、8チャンネルにミックスされたコーラスのハーモニーの複雑な絡み合いは絶妙でした。CDになっているステレオ版ではこの立体的な効果が分かりにくかったので、思わぬ収穫になりました。

本日よりコンポジション・セミナーもスタートしました。
KLANG2時間目「喜び」のアナリーゼですが、今回は二人のハーピストの実演も交えてのアナリーゼになります。
相変わらずテキストは充実していて、説明なしにこれを読むだけでも十分内容が理解出来ます。

昨日のコンサートは「HUについてのレクチャー」と「祈り」の二本立てでした。
何度か実演を体験している作品ですが、見るたびに新しい発見があります。

シュトックハウゼンのはじめの奥さんのドリス・シュトックハウゼンがコンサートに来ていました。

取急ぎ簡単なコンサートの内容などのみ。

開会式:「少年の歌」

コンサート:
「ピアノ曲I~V, VII~IX」
KLANG2時間目「喜び」

今年までは二人のピアノ講師が、レパートリーを棲み分けていた感じですが、今年はお互いのレパートリーを交替しての演奏となります。
今までベンヤミン・コブラーが演奏していた曲目を、昨日はフランク・グートシュミットが演奏しました。
逆に今まで彼が演奏していた「ピアノ曲X」は最終日にベンヤミン・コブラーが初めて演奏する予定です。

午後に演奏のマスター・クラスのオーディションを兼ねた初レッスンがありましたが、土曜日の受講生コンサートで「シュピラール」を演奏することになりました。
正式な決定は聞いてなかったのですが、開会式の挨拶の中で、シュトックハウゼンが何人かの予定出演者の名前と曲目を挙げて、「公式」な決定になってしまいました。

シュトックハウゼンは「心配しなくてもいいよ」と言ってくれたのですが、当日のゲネプロが今から怖いです。

今年もシュトックハウゼン講習会のためにキュルテンへやってきました。
人よりも牛の方が多いのでは、と思うほどの田舎で、今まではホテル(というより民宿)も含めてインターネット接続など夢のまた夢でしたが、なんと今年は事務局の部屋の周辺で無線インターネットができるようになりました!

ということで、時間があれば講習会の模様をリアル・タイムでお届け出来るかと思います。

ちなみに会場に着いた時は、Trumpetentの練習をしていて、巨大な特製テントの中からベルだけ出して4人のトランペット奏者が演奏していました。

以前から発売されていたエレン・コルヴァーによる「ピアノ曲I~XIV」はピアノの鍵盤の目の前に座っているかのようなクリアーな音像が印象的でしたが、今度の新譜は1歩進んでピアノの蓋の中に頭を突っ込んで録音したような音像にミックスされていて、かなり異様な音質になっています。

特に前半はピアノの減衰音をじっくりと聴く作品が多いので、このようなミックスになっているのですが、先日間近での生演奏を聴いた時ですら聴こえなかったような微細な音響に溢れていて驚かされます。

今回初めて聴いた16曲目以降はどんどん音数が増えていき演奏時間も短くなっていきますが、24曲の全体のバランスでみるとこうしたテクスチュアの違いを周到に計画していることが分かります。
24曲目では、それまでの23曲の断片の引用だけで構成されていますが、1-23-2-22-3-21-・・・という順番で組み合わされ、それぞれの引用は微妙に変形されたり絶妙な経過句が組み合わされたりして、単なる回想に終わりません。
この順序で組み合わされることにより、前半のゆったりした感じと後半の音数の多いフレーズが絶妙に組み合わされ、最後に13曲目、12曲目のシンプルで瞑想的なコードの連打で終わるところなどはシュトックハウゼンの構成力のうまさを感じさせます。

もう1枚の新譜(CD82)も「コメット」や「SYNTHI-FOU」の再録音の価値のある秀逸な別ヴァージョンもすばらしいですが、QUITTの唸りまくる微分音のハーモニーが最も印象に残りました。

来月の小さな本番でチャイコフスキーの歌曲を歌おうと計画していますが、移調して演奏するのでFINALEで移調譜を作成しました。
以前作った時(10年近く前)はロシア語の歌詞がOSの関係で入力できず歌詞は手書きで追加しなくてはならなかったのですが、いまやOSレベルでは全く追加インストールなしにアラビア文字、チベット文字、タイ文字など何でも入力、表示が問題なくできるMac OS Xですので、こちらもかなり進歩してきたFINALEでロシア語の歌詞をこの際入力した楽譜を作ろうとやってみたらどうしても文字化けしてしまいます。

FINALE上でもヒラギノなどの日本語フォントで入力すればキリル文字の表示はされるのですが、実はこれが「使えない」代物なのです。ギリシア文字などもそうなのですが、日本語フォントでこれらの文字は全角でしか出せないのです。通常のアルファベットもそうですが、半角で美しく見えるこれらの文字が全角で並べられてしまうと、非常に間抜けな感じになってしまうのです。

こちらがテキスト・エディタで入力してみたロシア語の歌詞(半角)です。

hankaku.jpg

これをコピペしてももとのフォント(Times)だとFINALE上では文字化けしてしまうので、フォントをヒラギノ明朝(全角)に変えて楽譜に入力してみたところです。

zenkaku.jpg

文字間が空くとなんとも間抜けな感じになるのが分かるかと思いますが、毎年アップグレード料金を払い続けて、いまだにロシア語の歌詞を奇麗に表示出来ないFINALEに少し幻滅しました。
といってもロシア歌曲のレパートリーは非常に限られているのと、頻繁に使うフランス語、ドイツ語、イタリア語などのアクサン、ウムラウトなどの表示は簡単にできるので、すぐこの不満も忘れてしまいそうですが。。。

などと、記事を書き、もう一度歌詞を眺めてみると綴りを結構間違えていることに気付きました。これから訂正しなくてはなりません。。

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おしらせ

■松平敬 1stアルバム
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