前回の記事で取り上げた「ネオンと絵具箱」折りを見て読んでいますが、私の故郷であり大竹氏の現在の制作拠点である宇和島ネタは私にとって奇妙で不可思議な感覚を与えます。
宇和島は非常に小さな町なので、本に書かれているちょっとした場所は大体イメージがつかめるのですが、「年輪ディープパープル」と題されたエッセイには天と地がひっくり返るほどの衝撃を受けました。そのエッセイに登場する「ばあさん」の人となりをうまく表現した大竹氏の文才も素晴らしいのですが、その「ばあさん」の特徴があまりにも私の非常に近い関係の人物に似ていることが、大竹氏と「ばあさん」の出会いのシーンからうかがえました。これはひょっとすると、とドキドキしながら読み進めて行くにつれその確信はどんどん深まっていきました。
その「ばあさん」とはどう考えても私の祖母なのです。
東京の道をぶらっと歩いていると突然、以前故郷にあった「宇和島駅」の看板が表れた衝撃もかなりのものでしたが、なんとなく買った本の中に自分の親戚のことが大きく取り上げられていることにはそれ以上の衝撃を受けました。
私の親戚云々ということをさておいても、単純に面白いエピソードなので一読をお薦めします。


東京都現代美術館で明日まで開催されている大竹伸朗「全景」を見に行ってきました。偏狭的なコラージュと猥雑な香りのする色彩感覚などひとつひとつの作品だけでもかなりの情報量があるのですが、小学校時代の作品から現在に至る2000点という膨大な作品群を一挙に集めての大規模な展覧会で、3分の1を見た位の段階で頭が朦朧とし、全部見終わった後には目がチカチカするくらいぐったりと疲れてしまいました。


